オオクニヌシと因幡の白兎

ヤガミヒメ(出典:Pinterest)

八十神のヤガミヒメへの求婚

オオクニヌシ(大国主神)は、もともとはオオナムヂ(大穴牟遅神)といいました。彼には、数多のの兄たちである八十神(やそがみ)がいました。八十神は、みな因幡(鳥取県東部)に住むヤガミヒメ(八上比売)を妻にしようと考えていました。

八十神が彼女に求婚を申し込みに出かけた時、オオナムヂは末っ子でしたので、兄たちの荷物運びをさせられていました。そのため、兄たちからかなり離れていて付いて行きます。

オオクニヌシと因幡の白兎(出典:Pinterest)

因幡の毛をむしられた白兎

八十神が因幡の気多(鳥取市周辺)に近い岬に差し掛かると、毛をむしられ皮膚が真っ赤になった白兎に出会いました。八十神は、白兎にこう教えました。

「海水に浸かり、風にあたり、山の峰にうつぶせになっていれば治るよ」

白兎は、教えに従いました。ところが、海水を浸かり、風にあたると皮膚が乾きひび割れてしまいました。白兎は、その痛みで泣いていました。そこへ、八十神から遅れてやってきたオオナムヂは白兎に問いました。

「白兎さん、なぜ、そんな真っ赤なひび割れた皮膚をして、泣いているのか」

因幡の白兎の悪知恵とその報い

白兎は、答えました。

実は、私はもともと淤岐島(おきのしま)にいて、この地に渡ろうと思ったのですが、その手立てがありません。だから、ワニ(和邇)にこう話したのです。

「ワニさん、君たちと私の一族、どちらの数が多いか比べましょう。だから、ワニさんたちはこの島から気多の岬までの間の海に並んでください。私がその上を跳んで数えましょう」
ワニは、その通りにしましたので、私は跳びながら数えたのです。
そして、最後のワニを数えながら、岬に跳び降りようとした時、私はつい言ってしまったのです。
「ワニさん、君たちは馬鹿だな。私はこっちに来たかっただけなのさ」

「最後のワニが怒って私を捕え、毛を剥いてしまったのです。ヒリヒリ痛かったので、ここに座り、痛みをこらえていた時、八十神が通りかかったのです。彼らは、こう私に教えてくれたのです。
『海水に浸かり、風にあたり、山の峰にうつぶせになっていればいい』
その教えの通りにしたら、かえって皮膚は悪化して痛みもひどくなってしまいました。だかた、その痛みで泣いてしまいました」

【和邇】サメであるか、川にいるワニであるか、二通り解釈があります。瀬戸内海からも日本海からも遠い広島県三次市や庄原市ではサメをワニと呼んで食べる習慣があります。(読売新聞・日曜版2018.10.21)

オオクナムヂの治療

オオナムヂは兄さんたちのことを恥じ、白兎にこう教え直しました。

「今すぐ、川の水で体を洗い、ガマの穂の花粉を地に撒き散らし、その上で寝返りをしなさい。そうすれば、皮膚は元どおりになります」

昔からガマの花粉には、止血、止痛の効果があると言われています。このお話から、オオナムヂは「医の神」と言われています。

白兎は、オオナムヂにこう言いました。
「八十神はヤガミヒメを手に入れることはできません。あなた様は、下男みたいに荷物を運んでいますが、必ずやヤガミヒメと結ばれるでしょう」
この白兎が、「因幡の白兎」で、のちに兎神と言われます。悪がしこいですが、神通力のある白兎だったのです。

八十神のオオナムヂへの殺意

実際、八十神がヤガミヒメに求婚すると、みな断られてしまいます。

「私は、あなたたちの妻になるつもりはありません。オオナムヂ様の妻になるつもりです」

こうして、八十神のオオナムヂへの殺意が芽生えたのです。

スポンサーリンク
336-280




336-280




シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする

スポンサーリンク
336-280