オオクニヌシの名と国づくりの始まり

出雲大社の大国主命像出雲大社のオオクニヌシの像(出典:ウィキペディア)

スサノオの試練は続く。

スサノオの試練3 鳴鏑(なりかぶら)

スサノオは鏑のついた矢を野原に射こむと、オオナムヂに探させます。そして、野原の周りに火をつけます。これでは、逃げ道はありません。オオナムヂは焼き殺されてしまいます。

今度こそは、オオナムヂ絶体絶命のピンチ!

と思いきや、ここに一匹のネズミが現れ、「下に空間があるから」と言って、地面を踏みつける動作をします。オオナムヂはネズミを信じ、池面を踏みつけます。すると穴が開いて、オオナムヂはその穴に落ちます。その上を、火は燃えながら通り過ぎます。命拾いをしてホッとしていると、なんとネズミが鳴鏑の矢をくわえていました。

スサノオとスセリヒメは焼けた野原を見渡し、オオナムヂの姿がないので焼け死んだと思いました。スセリビメは泣きながら、家に葬式の道具をとりに戻り、ふたたび野原に戻ってきました。すると、そこにはオオナムヂが鳴鏑の矢を持って、笑って立っているではありませんか。

スセリビメは大喜びです。しかし、スサノオは「う〜む、なかなかやるな!」と思いましたが、さらなる試練を与えることにしました。

スサノオの試練4 スサノオの頭のシラミ取り

三人はスサノオの館に戻りました。部屋に入るなり、スサノオはオオナムヂに自分の頭のシラミを取るよう命じました。スサノオの頭をよく見ると、シラミではなくムカデがうごめいています。オオナムヂは、「どうしたものか…」と腕を組んで考えます。

今度もまた、スセリビメが椋(むく)の木の実と赤土を渡し、助け舟を出します。
「椋の実をプチプチ音を立てながら噛んで、赤土を含み、つばと一緒に吐き出しなさい。そうすれば、父はムカデをかみ殺していると勘違いします」

オオナムヂは言われたとおりにします。すると、スサノオは「素直な良い奴だ!」と思い安心して眠ってしまいました。

「今だ!」

オオナムヂはこの機会を待っていたのです。スサノオの髪を柱に縛り付け身動きできないようにすると、部屋の入り口を大きな石でふさぎました。スセリビメを背負うと、両手で生太刀(いくたち)、生弓矢(いくゆみや)、天の沼琴(あめのぬこと)を持ち、一目散に逃げ出しました。

あまりに急いだので、木の枝に琴の弦が触れて「ガラ〜ン」と音を立てます。この音に大地も揺れ、スサノオが目を覚ましてしまいました。が、柱に髪が縛り付けられているので、すぐに立つこともできません。スサノオは頭を大きく振り、勢い余って家が倒れてしまいます。柱から髪もなかなか解けません。

オオナムヂ「オオクニヌシ」となる。

その間に、オオナムヂとスセリビメは黄泉の国との境、黄泉比良坂(よもつひらさか)を通り過ぎていました。遅れて黄泉比良坂間でやってきたスサノオは、大きな声で二人に叫びました。

「オオナムヂ、その生太刀と生弓矢で八十神の兄たちをやっつけろ。以後、オオクニヌシ(大国主神)と名のり、スセリビメを正妻にし、出雲の山に地底の石を太い柱にし、天高く壮大な宮殿を立てよ。良いな、小わっぱ」

オオナムヂはオオクニヌシとなって、スサノオに命じられた通り、八十神を倒し、国づくりを始めます。

古事記・上つ巻
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1話5分で読める古事記

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